誕生石って誰が決めたの?
何千年も昔から誕生石の習慣はあったのですが、最初に正式に制定したのは、1912年のアメリカの米国宝石商組合(現在のJewelers of America)です。
そこから1952年に一度改定されています。
日本では1958年に全国宝石商協同組合(現在の全国宝石卸商協同組合)が誕生石を制定。
アメリカの誕生石を元に、日本独自のアレンジを加えています。
そこから2021年に改訂が加わりました。
ちなみにイギリスはイギリスで、少しバージョンが違います。
目次
アメリカ版 誕生石
アメリカの「Jewelers of America」が正式に制定した誕生石は以下の通りです。
1月:ガーネット
2月:アメジスト
3月:アクアマリン
4月:ダイヤモンド
5月:エメラルド
6月:アレキサンドライト、養殖真珠、ムーンストーン
7月:ルビー
8月:ペリドット、スピネル
9月:サファイヤ
10月:オパール、トルマリン
11月:シトリン、トパーズ
12月:ターコイズ、ブルージルコン、タンザナイト
1つの月に1~3個あります。
全部で19種類です。
「養殖真珠」というのがちょっと違和感ありますね。
日本版の誕生石だと「真珠」ですが、アメリカ版だとわざわざ「養殖」と指定されています。
どうやら真珠と言うのは人の手を介していない全くの「天然」真珠はほとんどなく、流通しているものは養殖真珠となるそうです。
日本版 誕生石
日本の「全国宝石卸商協同組合」が正式に制定した誕生石は以下の通りです。
1月:ガーネット
2月:アメジスト、クリソベリル・キャッツアイ
3月:アクアマリン、ブラッドストーン、サンゴ、アイオライト
4月:ダイヤモンド、モルガナイト
5月:エメラルド、ヒスイ
6月:真珠、ムーンストーン、アレキサンドライト
7月:ルビー、スフェーン
8月:ペリドット、スピネル、サードニクス
9月:サファイヤ、クンツァイト
10月:オパール、トルマリン
11月:トパーズ、シトリン
12月:トルコ石、ラピスラズリ、タンザナイト、ジルコン
1つの月に1~4個あります。
全部で29種類です。
2021年の改定によって追加されたのは10種類(クリソベリル・キャッツアイ、ブラッドストーン、アイオライト、モルガナイト、アレキサンドライト、スフェーン、スピネル、クンツァイト、タンザナイト、ジルコン)です。
アメリカ版では「養殖真珠」であるのに対して、日本版には「真珠」と書いてあります。
これは天然も含まれるということでしょう。
しかし、イミテーションパールは含まれるのかどうか分かりません。
全国宝石卸商協同組合のサイトを確認しましたが、言及されていませんでした。
にしても、改訂によって増えすぎた印象ですね。
アメリカ版・日本版の違い
アメリカ版と日本版で共通している誕生石は以下の通りです。
1月:ガーネット
2月:アメジスト
3月:アクアマリン
4月:ダイヤモンド
5月:エメラルド
6月:アレキサンドライト、(養殖)真珠、ムーンストーン
7月:ルビー
8月:ペリドット、スピネル
9月:サファイヤ
10月:オパール、トルマリン
11月:シトリン、トパーズ
12月:ターコイズ(トルコ石)、(ブルー)ジルコン、タンザナイト
日本特有の誕生石は以下の通りです。
1月:-
2月:クリソベリル・キャッツアイ
3月:ブラッドストーン、サンゴ、アイオライト
4月:モルガナイト
5月:ヒスイ
6月:-
7月:スフェーン
8月:サードニクス
9月:クンツァイト
10月:-
11月:-
12月:ラピスラズリ
どれを信じたらいいのか?
アメリカ版と日本版でもこれだけ差がありますし、ひと月の中にも数種類の宝石が存在します。
何を信じていいのか悩みますね。
全国宝石卸商協同組合はこのように発表しています。
今回改訂する理由としては、国内においても様々な誕生石リストが混在しており、消費者が混乱するため、業界として誕生石を統一することを第一に考えました。
また、コロナウイルスの感染拡大により、ジュエリー業界は大きな痛手を被っています。
誕生石改訂により、消費者の選択の幅が広がり、宝石への関心を高めて頂きたいという願いも込めています。
統一することを第一に考えたと言っていますが、迷っている人にはより複雑になったような気もします……。
しかし、ジュエリー業界にとっては消費者の選択肢を増やすこと、感心を持ってもらうことを目的としているようなので、「どれが正解か」と言えば「全部正解」ということになるのでしょう。
制定されている中から、自分の好きな色、予算に合うもの、自分に合う石、身に着けるアクセサリーとのバランスなどを考えて好きに選んだらいいのかと思います。
石言葉
迷ったときの参考として、石言葉で考えるという方法があります。
ですが、石言葉は「諸説ある」状態でどれを信じていいのか迷ってしまいます。
石言葉はどこかの団体が制定しているわけではなく、長い歴史の中で言い伝えられてきたものや、色や輝きから来るインスピレーション、偉人の行動にちなんだもの、ビジネス的な思惑があって決められたものなどがあり、決定的なものではありません。
言い方が悪いかもしれませんが言ったもん勝ちというか、自分が信じたものを信じて「この宝石の石言葉は○○」と言い切ってしまうしかないと思います。
さすがに「真実」「忠誠」という石言葉が付いているガーネットに「陽気」と言うのは信頼性に欠けますが、「誠実」ぐらいなら自分なりに解釈しちゃってもいいのではないでしょうか。
類語によるブレの範疇だと思います。
1月
ガーネット
貞操、真実、友愛、繁栄、忠実、忠誠2月
アメジスト
誠実、心の平和、高貴、真実の愛クリソベリル・キャッツアイ
思いやり、優しさ、守護、慈愛3月
アクアマリン
沈着、聡明、勇敢ブラッドストーン
勇気、聡明、救済、献身サンゴ
長寿、幸福アイオライト
誠実、貞操4月
ダイヤモンド
清純、無垢、純愛、純潔モルガナイト
愛情、優美、清純、慈悲5月
エメラルド
幸福、幸運、誠実、安定、希望ヒスイ
忍耐、調和、飛躍6月
真珠
健康、円満、長寿、富ムーンストーン
健康、長寿、富、円満、癒し、恋の予感アレキサンドライト
高貴、情熱、秘めた想い7月
ルビー
情熱、仁愛、威厳、勇気、勝利スフェーン
幸運、成功、純粋、永久不変8月
ペリドット
夫婦の愛、幸福、和合、優しさ、希望スピネル
努力、情熱、発展、向上、成功サードニクス
夫婦円満、幸せな家庭、結婚9月
サファイヤ
成功、誠実、慈愛、友情クンツァイト
無償の愛、可憐、純粋10月
オパール
無邪気、潔白、幸福、希望トルマリン
寛大、歓喜、潔白、愛情、新しい出会い11月
トパーズ
友情、希望、誠実、潔白シトリン
友愛、自信、希望12月
ターコイズ(トルコ石)
成功、繁栄ラピスラズリ
愛和、幸運タンザナイト
高貴、神秘、冷静、知性、決意、成功ジルコン
安らぎ、祈願、成功世界4大宝石
世界4大宝石は、ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、エメラルドのことです。
希少性や価値が高く、高価です。
また、どれも硬度が高くて傷がつきにくい宝石です。
無色透明のダイヤモンド、赤色のルビー、青色のサファイヤ、緑色のエメラルド。
さすが4大というだけあって、色のバランスも良いです。